本の紹介 の記事

前河 洋一 , 鈴木 彰 , 山本 正彦 , 石井 好二郎 , 山内 武5氏の共著です。

各節毎に執筆担当が明記してあります(以下ではカッコ内に記しました)。既に自著をお持ちの方もおり、矛盾しない程度に自己主張が入っているのが面白い点です。

鈴木さん以外は大学の先生です。本書はスポーツ科学の面からマラソンを理論的に説明しています。但し、スポーツ科学は日進月歩なので、今は正しいと思われていても、そうでなくなることもあるそうです。

たとえば、以前はランニングフォームは膝を前に振り出してストライドを大きくし踵着地で後ろに蹴りだす「ピストン型フォーム」が主流でしたが、足首の角度を変えずに下腿を余り振り出さない「スイング型フォーム」での記録が伸びているそうです(山内)。スイング型フォームの代表例はQちゃん。そして、カーフレイズなどの下腿を鍛えるトレーニングはスイング型には不要だそうです。

スイング型で重要なことは、太腿を前後に開き、すばやく動かすことです。そのためのトレーニングには、台への乗り降りや、仰向けで片足を台に乗せての腰上げなどがよいそうです。「地面をキックするのではなく、地面を押さえる」「太もも中心の走り、太ももを真下にすばやく下ろす、太ももを速く前に引き付ける」というイメージを持つとよいそうです。

他にも、ウルトラマラソンに向けての練習メニュー(前川)など、興味深い点が多々ありました(これについては、また書きます)。

換気量と走力アップの関係から、呼吸筋を鍛えることを提唱している章もありました(山本)。呼吸筋を鍛えるには、

  • 呼吸筋に負担がかかるトレーニング(インターバル、クロスカントリー)
  • LSDの途中で深呼吸をする
  • 水泳などで呼吸回数を制限する
などがあるそうです。

市民ランナー向けに2泊3日での高地トレーニングを提唱したり(山内)、「期分け」の概念を提唱したり(鈴木)と、幅広い内容になっています。

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本の紹介:ヨムマラソン


42.195kmの脳内活劇」という副題のとおり、ランナーがマラソンを走るときに何を考えているのかについて、ベルリンマラソンとネス湖マラソンを走った時を忠実に再現しています。

「マラソンを走っているときに何を考えているのですか?」という、走っていない人からすれば至極もっともな質問への回答書ともいえるでしょう。


走る前には、普通はペースを決めます。ベルリンマラソンでは著者も4分50秒で行こうとしていました。走り出すと妙に調子がいい。そして、突っ込んでいって25キロの壁にぶつかりました。しかし38キロ給水で見事に復活して、結局自己新です。

中6日でのネス湖マラソンは、当初の目標どおりキロ4分50でいくことだけを目指します。コースは1000人程度のワンウェイコース。適切なペースメーカーを見つけ、ひたすら我慢の走りでベルリンを3分以上上回る自己ベスト(3時間22分11秒)だそうです。

読んでいると、「確かに、そうだよなあ」と納得する場面が多数あります。走り出すと快調と感じるのはよくあること。通常はレース前は練習量を落としますので、当日は体が軽く感じるのは当たり前なのでしょう。
それでも、誘惑を断ち切って予定通りのレース展開をするのがマラソンの醍醐味なのでしょうね。

でも、明日の勝田マラソンは練習と割り切って、5分ちょっとで突っ込んでみようかと思います(笑)

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本の紹介:<気>ランニング

タイトルの目新しさに引かれて読んでみました。原題は「CHIRUNNING」。太極拳の「気」の考え方をランニングに応用したようです。
太極拳では、気功に注目します。ランニングも、気功を発する丹田を重視して走れば楽になる、というものです。
そのため、というわけではないのでしょうが、監訳者は丹田を重視した体幹ランニングの本を何冊も書いている金哲彦さんです。

本書では、下半身の筋肉の力で走るのを「パワーランニング」とし、気ランニングと対比させています。そして、故障せずにラクに走る為には気ランニングが必要と説いています。

ランニングの基礎はフォームであり、その後距離を積んでいれば最後にスピードが付いてくる、という考え方です。

正しいフォームを身に着ける、という章では、前傾姿勢と腕振りを述べています。スピードを調節するのはピッチではなく前傾の角度を変えることだといいます。ピッチは常に170以上がよいそうです。

そして、練習メニューではフォームインターバルが目新しかったですね。これは、一定間隔でフォームの矯正をする練習です。


「気」は良く判らないのですが、自重を利用したり、大きな筋肉を使って走るという点には共感できました。

無理なく走れる“気”ランニング
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14のマラソン大会を紹介しています。それぞれ、コースマップと注意点を解説しています。高低差や給水ポイント、関門閉鎖時間なども掲載されています。

冒頭に載っているのは、東京マラソン。見開き2ページの「攻略マップ」を4枚も載せて、走り方のガイドやチェックポイントを詳しく紹介しています。私も、いつか走りたい!

次に載っているのは、荒川マラソン。私も3月に走ります。15km地点を過ぎた狭い橋に注意、など、事前に知っておくと役に立つ情報もありました。

今週末開催される勝田全国マラソンのページには、

  • 前半の国道245号線は、風とわだちに注意
  • 25km地点の常磐線の陸橋が最高地点
  • 27km以降はカーブが続くため、回数や方向を覚えておくと良い
  • 4時間を越えると規制解除で歩道を走る。また急激に気温が下がる

と書いてありました。やはり、4時間以内のゴールを目指したいですね。

他にも、湘南国際、福知山マラソン、つくばマラソン、河口湖マラソン、NAHA、青島太平洋、いぶすき菜の花、篠山、かすみがうら、長野、北海道など、主要な大会を網羅しています。
ただ、2009年の本なのですが、つくばマラソンは2008年のコースで掲載されていました。

コースガイド以外にも、有森裕子さんのインタビューや、club MY☆STARの岩本さんの「はじめてのマラソン」などもあります。

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「弘山晴美のマラソン術」という副題がついているとおり、トラック競技からマラソンまでこなした弘山さんの練習方法や考え方のエッセンスがわかる本。著者は資生堂の監督であり、また弘山晴美さんのご主人でもある弘山勉さんです。

ビルドアップやインターバルでスピードを獲得し、それを元にペース走でスタミナを蓄える、という考え方です。そして、スピード練習の基礎として、筋トレや坂道トレーニングなどを挙げています。

トップアスリートは42.195kmは走りきれて当たり前なので、スピードのトレーニングがメインになるのでしょうね。そして、そのスピードでどこまで押していけるかが勝負になるのでしょう。

「走り込みでスタミナをつけた上に、スピードトレーニングを行って記録向上をするのではない」「スピードトレーニングはランナーのベースであり、マラソンの基本」
と明記しています。また、LSDはお二人ともやらないそうです。最近の(初心者)市民ランナー向けの本では、LSDに重きを置いているのが多いですが、それらとは一線を画した本です。

一例として、インターバルのタイムの設定が書いてありました。3時間半だと

  • 1000m 4分45秒、インターバル200m 80秒
  • (レペ)1000m 4分30秒、インターバル200m 100秒
だそうです。

ただ、本書にも書かれているように、練習の仕方は一つではないし、このような練習ができるのは弘山さんが中学時代から基礎トレーニングを積んできたからだそうです。

LSDから入る本しか読んでいなかったので、本書のような考えに触れられたことは良かったと思います。いろんな考えがあるので、自分にあったトレーニング方法を見つけたいですね。

尚、本書には、フォーム改善のためのドリルや、ダンベルを使った体操、筋トレの方法など、スピード重視のトレーニングを取り入れるかどうかを問わず参考になることも沢山あります。また、食事や睡眠の重要性にもページを割いています。そして、時間を効率的に使うためにも、だらだらとゆっくり走るのではなく、スピードトレーニングが有効と言っています。

弘山さんの写真も沢山有ります。やはり、きれいなフォームですね。

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