ドイツのVodafoneが、Skypeを始めとするVoIPの事実上の締め出しに動くらしいとcnetが報じている(同記事に一部不明確な記載があるが、thikはこのように解釈した)。
既存のプレーヤとしてはよくある反応だと思う。無線でも使えるVoIPという優れた武器で破壊的(and/orローエンド)イノベーションを引き起こすSkypeに対して、「現在の」コアコンピタンスであるネットワークを持つVodafoneが、「イノベーションのジレンマ」に陥っているようにみえる。
「(携帯電話の)ネットワークは、大量のトラフィックを扱うのに向いていない」とZennstromは述べ、「携帯電話事業者が素晴らしいアプリケーションを恐れるのはそのためだ」と説明した。
大量の、細かいパケットトラフィックが今後の主流になるなら、それに応えられるネットワークを構築しないと、ネットワーク提供者間の競争に勝てない。既存事業の手前、今のネットワークを守ろうとしていると、将来のニーズ、すなわち「大量パケットトラフィック」を扱えるネットワークを誰かが提供してしまうとVodafoneは敗者になる。
そうならないように、
- 既存網に加えて、パケットに適した網を小さく構築し、可能性がみえるのであれば大きく展開する。
- 価値の源泉が網からアプリに移動しつつあると考え、通信網の事業は二の次にしてアプリビジネスを立ち上げる。
少なくとも、
SkypeなどのVoIP事業者からの通話を2007年7月から遮断する予定という対応は、新規市場をみすみず逃しているように思える。
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