第30回山口100萩往還マラニック大会 250kmの完踏記

最初で最後の萩往還250kmでした。

楽しく、苦しく、暑くて寒く、そして感謝が一杯の大会でした。46時間40分の「非日常体験」をしてきました。

今回は、完踏できる可能性をなるべく増やすため、いつもはあちこちで撮っている写真も封印しました。
(でも、3日目で、ちょっと安心した後は写真を撮っていましたが)

文章だけの長い走行(歩行)記です。

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5月2日 萩往還スタートまで

朝5:30に家を出て、7:55の羽田発の飛行機で山口宇部空港に向かいました。千葉県は暑く、サンダルでの出発としましたが、これが結果的に大正解となりました。

山口は、雨です

山口宇部空港では雨。サンダルから靴に履き替えます。前日まで「靴の甲を覆う雨具」を探していたが、良いものがありませんでした。

靴下の上にコンビニ袋で濡れ防止

結局、靴下の上にコンビニ袋をかぶせて、それから靴をはくことにしました。靴は濡れますが、足の濡れは最小限にできます。但し、蒸してふやける可能性もあります。

バスで受付会場に向かいます。「県庁前」のバス停から歩いて10分ですが、雨が強く、折り畳み傘では防ぎきれません。荷物と共に、濡れてしまいました。でも、足は問題なさそうです。

受け付けた後、着替え

11時過ぎに受付に到着。ゼッケンや参加賞を頂きました。萩焼のカップが「萩に来た」嬉しかった。

250kmの荷物置き場は、従来からの木町集会所と、今年新設された洞春寺内のテント。雨が強いため、テントを避けて木町集会所に向かいます。

木町集会所では、先に来た人が着替えています。私もなんとかスペースを見つけ、荷物を置いて着替え、おにぎりを食べました。

最後の完踏セミナーと、説明会

完踏セミナーを1時から拝聴するために教育会館に向かいます。萩往還のレジェンドの皆さんの話を聞きながら、完走できるかの不安と、完走したいの願望の間を行ったり来たりしていました。

3時からは説明会です。今回が萩往還マラニック大会の最終回のため、大会の功労者などの表彰などが続くきます。今でこそ超有名となった「萩往還」ですが、最初から支えていた関係者やランナーの思いが伝わってきます。

第2ウェーブでのスタート

説明会が終わると、スタートまで2時間弱となります。瑠璃光寺に向かい、スタート枠を確保しました。皆さん、急いでいるかと思いましたが、なんとか第2ウェーブを確保できました。

木町集会所に戻って雨具を着ます。旧油谷中学校と宗頭文化センター向けの荷物を預け、うどん券で暖かいうどんを頂きました。

雨は止まないため、雨具が脱げません。気温も下がるはずなので、このままスタートを待ちます。

5月2日:いよいよスタート!

6時ちょうどに第1ウェーブがスタートした後、2,3分でスタート!です。

140kmのコースを進む

しばらくは、昨年の140kmと同じコースをたどります。

「ああ、この広い芝生あたりが140kmの折り返しだったなあ」と思った辺りをそのまま直進します。雨が上がり、蒸してきたので雨具の腕をまくって走ります。

上郷エイドに到着

 ほぼ雨が上がりました。パンをいただきます。暑いので雨具をリュックにしまいました。持参したショッツも摂ります。

 ここからは上りが続きますが、走れない傾斜ではありません。真っ暗になってきました。つまずかないように走ります。

子供が沢山、湯ノ口エイド

 峠を越えて下り、左に曲がってすぐが湯ノ口エイドです。
 小さな子どもたちの呼び込みがすごかった覚えがあります。

下郷駐輪場エイドを通過

 余り記憶はありません。
 道中、カエルの合唱が続きます。両側は田んぼかもしれませんが、暗くてわかりません。

美祢高校前エイドでレモンを頂く

 高架下にあったと思います。砂糖漬けのレモンを頂いたように覚えています。
 ここまでは、エイドでは給水と給食のみとして2,3分の滞在時間としました。

西寺エイドは、寒かった

 美祢高校前エイドから県道を進みます。「間違えやすい」と言われている門村交差点も、ボランティアさんがいて問題なく左折できました。
 たまにトラックが脇を通ります。そして、再び雨で、体が冷えます。少し下って、やっと西寺交差点のエイドに着きました。

 ここは、ガソリンスタンドだった場所です。屋根もあります。雨が強くなってきたので、雨具を取り出して着込みます。

5月3日:徹夜一日目

 西寺交差点をでて、10分くらいすると上りになります。ポールを使っている人がいたので、私も立ち止まってポールを取り出しました。上りでのポールの威力は絶大です。サクサク歩けます。

 説明会で注意があった「石柱渓 右折」も無事に通過。「階段が危ないので歩道ではなく車道を進むこと」といわれていた場所も、「ああここだな」と思いつつ進みます。

 豊田湖へ向かう鋭角のカーブのところにもボランティアの方がいます。こんな深夜に、ありがとうございます。

 この先、右手にトイレがあったので寄りました。

 説明会では「このコースにはトンネルがありません」とのことでしたが、1箇所ありました。正しいルートのはずですので、木にせず進みます。

 豊田湖への右折個所も、警備員がいました。ありがとう!

豊田湖畔エイドで、うどん

 豊田湖畔エイドでは、チェックシートに付いている食券で、うどんとおにぎりをいただきます。

 足の具合を確認します。問題はなさそうです。

 お茶も補給しました。部屋は暖かく(暑く)、しかし一歩外に出ると寒いです。

俵山温泉エイドでは、仮眠

 豊田湖畔エイドからは、川に沿って進みます。やや上りでしょうか。でも余り気になりません。
 車も殆ど通りません。既に2時を回って、かなり眠いです。

 交差点を左折したところに、雨よけができるバス停のベンチがありました。横になろうかと思いましたが、もうすぐ俵山エイドのはずなので、そのまま進みます。

 俵山温泉では、トイレの裏で10分くらい寝ました。バス待ちの小屋には木のベンチがあったのですが、先人が寝ていました。

 エイドではストーブが焚かれています。椅子に座って温まりました。

 ここで、ストックを取り出して砂利ヶ峠の上りに備えます。

砂利ヶ峠を越える

 越えていったはずですが、記憶がありません。

新大坊エイドで夜明け

 新大坊エイドに向かっていくと、段々と明るくなってきます。

 朝5時半頃でしょうか。JRバスとすれ違いました。回収バスだったのでしょうか。

 右の方が開けてくると、新大坊エイドです。

 ここでは暖かい湯豆腐といちご、フルーツポンチをいただきました。風が強く、寒いため雨具が脱げません。

海湧食堂は、満席だった

 晴れて気持ちいい朝です。ほどんどアップダウン無く、海湧食堂に到着。混んでいたため、先に旧油谷中学校に向かうこととしました。

旧油谷中学校で補給

 旧油谷中学校には、6:50ころに到着したと覚えています。

 チェックと到着時間記録をした後、預けた荷物を受取ります。
 
 荷物から補給食をリュックに詰め、靴下を脱いで足の状態を確認。問題ないので、靴下はそのままにしました。
 
 暑くなりそうなので、長袖Skinsのコンプレッションウェアを、半袖Skins+アームウォーマーに変更します。これだと、暑いとアームウォーマーを外せばOKです。

 ゼッケンを替えるのが面倒なので、Tシャツはそのままにしました。

 もう、雨はふらない予定です。そのため、雨具のズボンだけでも預けようかと思ったが、使うかもしれないと思い、止めました。
 

再び海湧食堂

 ここでは、食券でおかゆを頂きます。昆布と梅干しがとてもマッチしました。生き返ります。

俵島エイドに向かう

 ここからは、俵島に向かいます。途中でポールを出している人がいました。聞くと、この先はアップダウンが多いとのことでしたので、私も一旦ザックに入れたストックを取り出しました。

 朝の海の景色は素晴らしかったです。また、細かなアップダウンも素晴らしいほどありました。

 グーグルストリートビューで見た、ヤマザキショップを右手に見て、往復の区間に入ります。

 港の周辺では、私設エイドさんがいました。帰りにお世話になることにして、先に進みます。

 油谷島に入って、俵島チェックポイントに向かうために上りとなります。たまに青い日本海が見えます。

 チェックポイントを過ぎても、上りが続きます。振り返ると絶景ですが、写真を撮る余裕はアリませんでした。

、最後は急な下りで一周します。

 9時を過ぎてくると、暑くなります。通過したヤマザキショップでアイスを買いました。

川尻岬エイドでは、カレー

 川尻岬までは、上りがあります。ポールを使って、膝に負担を掛けずに登っていきます。

 最後は下って、川尻岬エイドに到着です。

 ここは、食券でカレーが食べられます。これが美味しい。ポカリスエットを補給して、再出発です(ビールを注文している人もいました)

立石観音エイドで最後のアイスクリーム

 アップダウンがあります。眼下に海岸線を見ながら、最後は急な坂を下ると、立石観音のエイドでした。

 ここの自動販売機は100円。そして、残り1つというアイスを頂きました。そして再び登りとなります。

千畳敷エイドは、風が強い

 元乃隅稲成神社からは、車が大渋滞で、全く動いていません。やや上りの道路を、集団で通過します。

 その渋滞の中、私設エイドが! 助かりました。

 千畳敷エイドに向かう交差点には、無人で氷が置かれていました。頭を冷やし、口を冷やして、登っていきます。

 この上りはキツイ!との評判でしたが、覚悟していると上りきれるものですね。本日の最高地点、千畳敷に到着です。

 千畳敷は強風で、晴れているのに寒い。防寒具(雨具)を着ようと思いましたが、それも面倒で、さっさと下ります。

日置エイドで、カップラーメン

 千畳敷からは、一気に下ります。この区間はとてもとても眠く、全く走れませんでした。

 平坦になって、山陰本線の線路に沿ってくると、日置エイドです。

 ここでは、元気な中学生が切り盛りしています。カレーのカップラーメンをいただきました。ごちそうさま。

 この先は平坦のはずです。ここでストックをしまいました。

湯本温泉エイドで夕方に

 ストックなしだと、平坦な道は走りやすく感じます。海岸線を抜けて国道191号線に合流すると、次のエイドの湯本温泉までは、交通量が多い道が続きます。

 美祢線を越えて右折すると、湯元温泉までは約5km。途中にセブンイレブンもありますが、よらずに通過しました。

 信号のある交差点を渡ると、湯元温泉エイド。忘れずにチェックします。

 温泉に入りたいと思いますが、そんな余裕はありません。暗くならないうちに仙崎に向かいたいです。

仙崎公園エイドで日が暮れた

 到着は19時を過ぎていたでしょうか。暗くなってきました。

 スタートして雨が降り出しました。風も強く、雨具の上下をバス停で着込みました。

静ヶ浦キャンプ場でカレーの夕食

 青海島への橋をわたります。風が強く、飛ばされないように注意が必要です。

 暗くなると、戻ってくるランナーのヘッドライトが楽しみです。

 途中で、私設エイドさんがいました。甘夏みかん(だったかな?)を頂き、キャンプ場に向かいます。

 何回かのアップダウンとカーブの後、キャンプ場に到着。まずはチェックです。

 キャンプ場では、子供のはしゃぐ声がしました。そういえば、連休真っ最中でした。大の大人が、ちょっと場違いです。

 カレーを頂いて体を温めて、戻ります。

再び仙崎公園

 ここでは、水分の補給だけで先に進みます。予定よりだいぶ遅れているのですが、なんとか睡眠時間を確保したいです。

宗頭文化センターにたどり着く

 
 途中、バイパスと合流する場所にローソンがあります。なにか食べようかと思いましたが、宗頭まで5kmくらいのはずです。眠いので先に進むことにしました。

 宗等文化センターに到着したのは、23時50分。予定より1時間弱遅れています。そして、とても眠い。

 到着して、荷物を受け取って着替えること無くそのまま仮眠しました。

 12時過ぎ、寝ていた体育館ではすごい雨の音がしましたた。また雨か、と思いましたが、まずは睡眠です。

5月4日:3日目、徹夜2回

 予定では宗頭文化センターを1時過ぎに出発です。これまでの予定と実績の関係から、予定より遅れることは必至です。

 睡眠時間を削っても、予定通り出発することにします。

宗頭文化センターを1時に出発

 3,40分の仮眠の後、預けた荷物から補給食を取り出し、出発しました。

 ここでは軽食を食べられるはずでしたが、すっかり忘れていました。

藤井商店のチェックポイント

 1時過ぎに出発すると、7,8人の大集団でした。皆と走ると、意外とすぐに時間が経ちます。

 無事にチェックして、鎖峠に向かいます。

鎖峠に向かって歩いて登る

 この区間は、説明会で「道を間違う可能性がある」とのことでした。集団に遅れないように進みます。

 国道に合流して、程なく峠となります。ここから先は、下りです。
 三見駅まで3.5km地点に私設エイドがいらっしゃいました!この方とは、あちこちでお会いしました。真夜中にありがとうございます。

三見駅で、真夜中のカップラーメン

 ここでは、カップラーメンと暖かいコーヒーを頂きました。 

 眠いので仮眠しようかと思いましたが、場所がないので先に進みます。

玉江駅では、コンクリート床で仮眠

 この先は、幽霊が出るとの噂でしたが、流石に見えませんでした。

 そのかわり、道路脇の草が、壁のペイントに見えてきました。眠さMaxでした。
 
 町に降りてからも「ずっとまっすぐ」と知っていたのですが、途中で左に曲がりミスコースしてしまいました。すぐに修正しましたが、相変わらず眠さは変わりません。

 やっと到着した玉江駅の中のコンクリートの床で、20分程度仮眠しました。

浜崎緑地公園の海岸でくつろぐ 5/4 5:52

 外はすっかり明るくなっています。そして、140kmの参加者が増えてきました。

 日が出てきたので、海岸線に座って雨具上下を脱ぎました。昨年と同じような、見事な天気です。

虎ヶ崎エイドで、朝食のカレー 5/4 7:35

 ここからは、昨年と同じルートです。夜も明けて、気が楽になってきました。

 昨年よりも1時間程度早い時間なので、やや涼しいです。そして、コースが判っているので、「あそこが笠山入り口」と思いながら走っていました。

 笠山の上りを通過して、虎ヶ崎に到着です。幸いなことに、余り待たずに大盛りカレーを食べられました。

 股擦れの感じがしたので、持っていたキネシオテープで補強(笑)さあ、あとは山口に戻るだけです。

東光寺チェックポイント、酸っぱくて美味しい

 昨年と同じ様に、途中のセブンイレブンで、水分とコーヒー、サンドイッチを食べました。特に故障は無いため、なんとか戻れるでしょう。

 登校時では、昨年と同様、夏みかん?を頂きました。酸っぱくて、スッキりします。

陶芸の村公園エイドは、昨年と同じ光景に安堵:5/4 10:05

 ぐっと登って、陶芸の村公園エイドに到着です。
 昨年より30分程度早く到着。そして、昨年と同じような晴天の見事な景色にホッとしました。

旧村田かまぼこ店で、さくっと給水

 今朝6時にスタートした70kmのランナーとのすれ違いが続きます。拍手をくれるのがとても嬉しく感じました。

 ですが、これからが本番の萩往還。何が起こるかわかりません。気を引き締めて進みます。

 旧村田蒲鉾店エイドでは、水分を少し貰って先に進みます。

明木エイドで、お饅頭とかぶり水: 5/4 12:00

 到着したのは、12時ころ。昨年とほぼ同じです。そして、町はまつりで賑わっています。


 昨年と同様、お饅頭をいただきました。そして、昨年は桶から、今年はシャワーで、頭から水をかぶりました。

 これから、一升谷へ向かいます。

塩サバが美味しかった佐々並エイド

 一升谷を上ります。雨の影響はまったくなく、道もぬかるんでいません。ゆっくりと登っていきます。

 8合目過ぎの私設エイドさんも、昨年と一緒。湯呑みで、暖かいお茶をいただきました。ありがとうございます。

 峠を越えると、少しの国道の上りの後、再び山道へ。小さな峠を越えると、佐々並エイドです。

 説明会での予告どおり、残念ながら豆腐はありませんでした。でも、塩サバがとても美味しかったです。

最後のエイド、夏木原キャンプ場

 佐々並エイドからは、苦手な舗装道路のダラダラ上り。暑くなり、走ったり歩いたりが続きます。

 途中のおばあちゃん私設エイドでは残念ながら草餅は終了。でも、復活してくれてありがとう御座います。

 段々と急になってくると、夏木原キャンプ場です。ここでは、フルーツポンチを頂きました。

最後の萩往還を行く

 夏木原キャンプ場から急な上りを少し進むと、いよいよ山道、最後の萩往還です。

 ここまでくれば、完踏できるでしょう。もう、どうでもいいや、と思って、走って下ります。これが楽しみ!

 でも、舗装道路に降りたら、走れる状態ではありませんでした(が、最後の200mだけは周りに人が居たので走りました)

瑠璃光寺に到着、完踏!:5/4 16:36頃

 なんとか、予定通りに到着しました。途中で睡眠時間をカットしながらも、1時間ちょっと余らせてのゴールです。

 萩往還は、所定時間にゴールするだけでは完踏と認めてくれません。チェックシートに全てチェックが有ることが必要です。

 この確認待ちの時間がとても長く感じました。無事に全てチェックがあることが確認でき、メダルと完踏証を頂くことが出来ました。

ゴールしてから

 ゴールの後は、旧油谷中学校と宗頭文化センターの戻り荷物を受取り、木町集会所に荷物を取りに向かいます。

 着替えたとき、右足に大きなマメがあるのが気づきました。走っている時は問題なかったのですが、これでは靴は履けません。履いてきたクロックスもどきのサンダルで帰ることにしました。

 今日の宿は、新山口。残念ながら、湯田温泉を含む山口市内は一杯でした。電車で新山口に向かい、チェックイン。

 意外と眠くならず、普通に11時ごろに寝付きました。

5月5日、こどもの日

 バイキングの朝食を食べ、10時にチェックアウト。

 新山口駅でSLの重連を見た後、宇部ときわ公園で、のんびり。

 近くのお店でサービス満点のランチを頂き、片倉温泉でお湯に使って、路線バスと歩きで山口宇部空港に戻りました。

 定刻のフライトで羽田に戻り、長かった1泊4日の旅が終わりました。

まとめ

 雨、曇、晴れ、風と、いろんな天気を経験できた3日間でした。
 そして、一緒に走ったランナーと、ボランティアの皆さんに感謝した3日間でした。

 30年もの間、素晴らしい大会を運営してきた皆様に感謝します。ありがとうございました。

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