明日は誰のものか -Seeing What's Next 第4章

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明日は誰のものか -Seeing What's Next 第3章の続き。

4章は、「非マーケット要因はイノベーションにどのように影響するか」。1章で触れた、政府の干渉等がどのように影響を及ぼすかについて言及している。なお、「干渉があるからイノベーションに悪影響を及ぼしている」という一義的な見方ではない。

章では、RPV理論を説明して、Process(スキル)とValue(意欲)について触れた。4章では、まず意欲と能力の「ある」「なし」で4パターンに分けて考える。

  1. 意欲あり、能力あり:「温床」(the hotbed)。イノベーションが多数生まれている。
  2. 意欲あり、能力無し:「標的の模索」。能力不足により、ビジネスが見つかっていない。
  3. 意欲無し、能力あり:「資金の模索」(looking for the Money)。意欲不足により、収益化の方法が見つかっていない。
  4. 意欲無し、能力無し:「ジレンマ」。この領域ではイノベーションは生まれない。
ここでいう「能力」「意欲」は、以下の項目により増減する。
能力
経営資源が充足しているか、自業界が発展しているか、標準化動向はどうか。また、政府の政策はどうか(例:政府が無線事業者に対して十分な帯域を割り当てずに、事業化の障害を作っていないか。許認可権を正しく用いているか)
意欲
市場の規模、成長性、競争の激しさ、業界の魅力など。また政府の税制優遇や補助金なども影響する。
クリステンセンは、「標的の模索」と「資金の模索」を比較し、「『標的の模索』は障害ではあるがイノベーションの可能性がある。『資金の模索』はイノベーションは可能だが可能性は薄い」と述べている。


明日は誰のものか イノベーションの最終解
4270000716クレイトン・M・クリステンセン スコット・D・アンソニー エリック・A・ロス

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このページは、thikが2006年1月23日 00:45に書いたブログ記事です。

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