2007年8月アーカイブ

副題は、「『50年勝ち残る会社』をつくる8つの戦略」。題名にあるアマゾンの話は、8つの戦略の1つである。副題の方が内容に即しているが、キャッチーなタイトルとして表題を選んだのだろう。

本書の最も伝えたいメッセージは、「自分の有利な土俵で戦う。あわよくば、戦わない。そして、土俵の選び方が、最重要な戦略である。土俵を決めたら、徹底的に集中する」という点である。

著者が前書きで書かれているように、「休日にさらりと読める戦略本」である。そして、章題に象徴されるように、身近な具体例で判りやすく戦略を解説している。

以下、一部引用&要約。

見開きで、「バリューチェーン」や「SCM」という、事業を行う上での考え方を簡単に網羅している。2005年12月に発刊された為、比較的新しい「ブルーオーシャン戦略」なども記載がある。

ただ、各々の考え方(フレームワーク)は、それらが一冊の本になるくらい奥が深い。そのため、本書の2ページでは言い表せていないことがかなりある。そのために、巻末には参考文献が各考え方に対して1冊づつ記載されている。本書を読んで興味を持ったものについては、詳細を読んでください、ということだろう。

再度読み返した。やはり、チェックリスト的に使う本だと思う(本自体もそのような体裁を含んでいるし)。

以前読んだメモのURLをまとめておく。

プロフェッショナル・アントレプレナー

プロフェッショナル・アントレプレナー 第1の法則「有利な産業を選ぶ」
プロフェッショナル・アントレプレナー 第2章 価値あるビジネスチャンスを発見する
プロフェッショナル・アントレプレナー 3章 テクノロジーの進化を制する
プロフェッショナル・アントレプレナー 第4章 本当の市場ニーズを発見し、それを満たす
プロフェッショナル・アントレプレナー 第5章 購入者の意思決定と、市場の力学を理解する
プロフェッショナル・アントレプレナー第6章 既存企業の弱みに付け込む
プロフェッショナルアントレプレナー 7章 知的財産を管理する
プロフェッショナル・アントレプレナー 第8章 イノベーションの利益を専有する
プロフェッショナル・アントレプレナー 第9章 最適な事業体制を取る
プロフェッショナル・アントレプレナー 第10章 リスクと不確実性に対処する
プロフェッショナル・アントレプレナー 最後に


プロフェッショナル・アントレプレナー 成長するビジネスチャンスの探求と事業の創造
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「シャドーワーク」とは、公式の組織で規定された権限や役割などにない、自主的な意思で行う活動である。予定調和で進まない現在において、イノベーションの源泉となる活動だろう。

本書は、日産、リコー、シマノなど複数企業でのシャドーワークの実例をあげて、企画型事業を生み出す場合にシャドーワークの有用性を説いている。

また、シャドーワークを実行するに当たっての「6つのカベ」を列挙し、その対策を記載しているのも面白い。ちなみに6つのカベとは

  1. 上司のカベ
  2. 組織のカベ
  3. 文化のカベ
  4. バカのカベ
  5. 技術のカベ
  6. 人事のカベ
である。
常に成長したいのは企業または個人の普遍の願いであり、そのためには過去の経験に基づくルーチンワークだけでなく、不確実が伴うことを手掛けることが大切だと思う。

「技術者力」と言うタイトルを見ると技術習得方法の本かと思うが、全く違う。だが、中身は「技術者よ、5つのスキルを磨いて、収益力のある事業を手掛けなさい」というものである。5つのスキルとは、

  • 戦略構築力
  • 反射行動力
  • 擦り合わせ力、組み合わせ力
  • 「場」力
  • 「塊」力
である。
これらと、著者が提唱している「戦略ビジネスプラットフォーム」(技術レベルと顧客価値観の2軸)とを組み合わせて考えることにより、日本企業の勝ちパターンを構成できる。


新規事業を立ち上げたい人向け、というよりも、新規事業を育てたい人向けの内容。著者は、リクルート在籍後インキュベーション(事業孵化)を行うインターウォーズを設立した。

本書では、「出島」構想など同社の宣伝も一部はあるものの、一般論として「新規事業を育成するにはどういう仕組みが必要か」について概説している。目次も充実しているので、それだけでも目を通すと著者の主張の概略をつかむことが出来る。

本文では、新規事業応募シート、事業のスクリーニング基準、事業開発のフェイスシート、事業家の際のチェックリストなど、同社が使用していると思われるツールも具体的に記載されており、参考になる。

以下、目に留まった点から抜き出し。

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