事業に投資するためのチェックリスト。ファンド側だけではなく、事業を実施する側にも役に立つ。
事業を成功させるために考慮することを、7つに分類して述べている。
- 1.市場(ミクロ状況):魅力的なターゲットセグメントが存在するか?
- 顧客のどの悩みを解決する商品なのか? お金を払ってまで購入したいのなぜか? 「魚はその値段でエサに食いつくか?」
- 顧客は具体的に何か? by name で挙げられるか?その証拠は何か?
- 他社に無いメリットは何か?
- 顧客は、商品を買うか? その証拠は何か?
- ターゲット市場は成長するか? その証拠は何か?
- 関連商品を提供してメリットを得られるセグメントが他にあるか? それはどこか?
- 別のセグメントに移行する際に、どのようにして「成功の仕組み」も移行するか?
- 顧客のどの悩みを解決する商品なのか? お金を払ってまで購入したいのなぜか? 「魚はその値段でエサに食いつくか?」
- 2.市場(マクロ状況):市場は魅力的か?
- どのような規模のビジネスをしたいか?
- 市場の規模は? 何種類の方法で測定したか?
- 過去1,3,5年の間の成長率はどの程度か?
- 次の2,5,10年の成長率の予測は?
- PEST分析結果は、本事業にどう影響するか?
- どのような規模のビジネスをしたいか?
- 3.業界(マクロ状況):業界は魅力的か?
- 業界を定義する。業界は自社と競合他社で構成される。
- 5F分析を行った結果、何がいえるのか? なぜ、そのようにいえるのか?
- 4.業界(ミクロ状況):持続可能な競争優位性が築けるか?
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他社がまねできない財産(特許など)があるか?
- 他社が真似出来ないオペレーションが可能か? 組織プロセス、能力、資源があるか?
- 採算性があるか? キャッシュが回るか? 目指す利益率に達するか?
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他社がまねできない財産(特許など)があるか?
他にも、経営チームに依存する成功要因が3種類あるが、それは省略。が、事業戦略自体と、ほぼ同等のウェイトを占めていることに注意が必要だろう。
7つの要因については、同じウェイトでは無い。例えば、市場のミクロ条件がKOFとして挙げられる。
本書には、各項目の質問に答える際の考え方や、豊富な具体例も記載されている。また、「ロードテスト」に必要なワークシートなどのtipsも載っている。
内容の展開方法は異なるが、以前エントリした、プロフェッショナル・アントレプレナーとよく似た趣旨の本であり、著者の斬新的な視点を提供しているわけではない。だが、実際に事業を考えていると、ついのめり込んでしまい、当たり前のことが出来なくなってしまう。肌感覚となるまでは、適宜本書で自分の事業計画を振り返る必要があるだろう。
非常に良くまとまった本だと思う。
ビジネスロードテスト 新規事業を成功に導く7つの条件 | |
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