講談社現代新書の一冊。コンパクトに、起業の為のツボをまとめている。
ツールも充実し、How to本と理論本をいいとこ取りしたといえる。
一部は、「アントレプレナーの戦略思考技術」からの抜粋もあるが、新書サイズで起業についての俯瞰であれば適切な量だと思う。
気のついたところから。
- 3つの戦略が必要。参入戦略、儲けの戦略、反撃戦略。
- 参入戦略:顧客確保済み、インスタントブランド、一転集中、弱いものいじめ、ナンバーワン、ゲリラの5種戦略がある。
- 儲けの戦略:売上高増加かコスト低減か。売上高は、価格、数量、市場拡大の3種で増加可能。コストはシェア向上、多重使用、方法革新で低下することが可能。
- 反撃戦略:コスト、ノウハウ、参入障壁などの優位性を築く。既存企業を怒らせない。(クリステンセンのローエンド型破壊の概念が参考になるのでは by thik)
- 参入戦略:顧客確保済み、インスタントブランド、一転集中、弱いものいじめ、ナンバーワン、ゲリラの5種戦略がある。
- 目標年収をまず求め、標準の利益率などから逆算して理想のP/L,B/Sを作る。
- 消費チェーン(AIDMAを拡張した概念)のどこに特徴を置くかを考える。
- 仮説(前提)のうち、クリティカルな項目を理解しておく。
- テスト:企業家度テスト、事業の魅力度、事業の適社度テスト(BMO法)
- フレームワーク
- アトリビュートマトリックス:基本的特徴、差別的特徴、決定的特徴の各々について、肯定的・否定的・中立的の3段階で評価する。
- 不確実性のポートフォリオ:市場及び技術の不確実性の多寡で分析する。いずれも不確実性が高ければ「飛び石的事業」として適宜仮説変更が必要。また、技術の不確実性が高ければ「待機型プロジェクト」として技術の熟成まで待つなどの考慮が必要。
- 利益源泉図:投資と、その結果としての利益がどのように回っているかを図示し、どこに特化するかを検討する。
- アトリビュートマトリックス:基本的特徴、差別的特徴、決定的特徴の各々について、肯定的・否定的・中立的の3段階で評価する。
著者は、「エレベータトーク用に1枚選ぶと、利益源泉図」と言っているが、うーん、ちょっと違うかなあ、事業コンセプトかなあ、とか思ったり。でも、そんな細部はどうでもいい。内容はとてもお勧めです。
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