以前エントリしたリーダーを育てる会社 つぶす会社の続き。
スキルには6つの転換点があると著者は言う。係長、課長、部長、事業部長、
事業統括役員、経営責任者の、各々の昇格時がその転換点である。以下、最初の3つの転換点について抜書きする。
第1転換点 係長に求められるもの
- 仕事の定義とアサイメント
- 上司や他の人とコミュニケーションし、計画を立案、調整し、担当者を選び仕事を任せる。
- 部下に対するサポート
- モニタリング、コーチング、フィードバックを実施し、経営資源を獲得しながら、問題解決・コミュニケーションなどを行う。
- 関係構築
- 部下、上司、間接部恩と、オープンに話し合ったり、信頼し合える関係を築く。
第2転換点 課長に求められるもの
以下の4つのスキルが必要。
- 係長の選抜とトレーニング
- 係長の評価
- 部門間での経営資源の配分
- 境界線の管理
- 権限委譲がうまくできない
- 部下の管理が不得手
- 強いチームを構築できない(部下の個人プレーに頼ってしまう)
- 仕事を成し遂げることのみ考えている(コーチングや管理能力開発という役目を理解していない)
- ( 係長を選ぶ際に)一般社員の中から自分のクローンを選ぶ
第3転換点 部長に求められるもの
- 長期的思考(3年)。単年度の成果を重要視してきた課長までとは違い、長期的な思考をする必要がある。
- (技術面や運営面、プロフェッショナル面等で)最先端を意識する。
- ビジネスモデルを詳細に理解し、長期戦略の方向性と目標を理解する。以下の項目に留意すべき。
- この事業の目的は何か。
- この事業は、市場においてどのような位置付けにあるか。
- 最近、戦略は変更されたか、あるいは近々変更されそうか。
- 自部門は、わが社の競争優位に貢献できそうか。
- 各部門は、その戦略にどのように貢献すべきか。
- 自部門の動きは、その戦略にどのように影響を与えるか。
- 自部門は他部門にどのような影響を与えるか。
- この事業は、どうやって儲けを出すのか。
- 戦略的志向の際に、職務機能のあらゆる側面を組み込む。自分の担当外の職務機能についても学ぶ必要がある。
- (単に職務機能のためだけではなく)事業戦略、収益性、競争優位を支えるために妥協点を探る
- 未知なものに意義を見出す。質問し、教えを請う。
- 業務プロジェクト思考から戦略思考に変わることができない。
- 不慣れな仕事やあまり興味のない仕事を管理できず、またそれらに意義を見出すことができない。この場合、既知の分野に多くの時間を使う、給料・予算に関して、よく知っている分野に偏りが出る、標準より離職率が高い、などの兆候がある
- リーダーあるいは管理職として未熟である。
- 責任をとろうとしない。介入市勝ちだったり、実務者であろうとする。
- 他人、特に不慣れな職務を担当している部下を信用しない。
- 仕事を任せられず、すべてコントロールしないと気がすまない。
- コミュニケーションスキルに乏しく、ごく少数の取り巻き意外とは交流しようとしない。
- 権限委譲のし過ぎで、コントロールできない(あるいは逆)
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こうやって見ると、各階層が一段か二段下の職務を行っていることが非常に多い事に気づく。「プレイングマネージャ」の名のもと、今期の成果のために行動する課長や部長が結構多いのではと思う。いたずらに階層を増やすことには賛成しないが、それぞれが全うすべき仕事ができないのであれば、組織構造を見直すべきなのだろう。
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