ITで自分の代行(エージェント)をしてほしいと思っている筆者にとっては、「行動支援メディア(cnetの記事より)」というビジョンはとても共感できた。そして、そのビジョン実現の一歩として、gooは検索エンジンの前処理と後処理を強化する。
日本市場に特化し、日本語での検索に力を入れて特色を出す。「らーめん」「ラーメン」などの表記ゆれにも対応するほか、ジャストシステムの文字入力システム「ATOK」と連携したサービス「gooサジェストβ with ATOK」も打ち出した(関連記事)。日本(語)での市場確保の為には、「前処理」で定評のあるATOKと組むのは正解だろう。
この戦略が成功すれば、例えば規模が大きい中国市場を抑える為に、中国語のFEPのメジャーと組むとかがありそうだ。また、検索の前処理はFTPだけではないだろう。
また、後処理は、地図や電話帳と組み合わせるとのこと。
gooタウンページをリニューアルし、検索結果画面にスクロール地図を表示するようにした(関連記事)。地図の移動に連動して検索結果も更新される点が最大の特徴だ。今後はNTT番号情報(NTT-BJ)と連携してタウンページサービスやローカル検索広告を拡大する方針で、タウンページやハローページで培った広告販売力を最大限に生かす考えだ。なるほど、グループ資産を最大限に活用するという点では優れた戦略だと思う。携帯用ブラウザの出現により苦しくなってきた「iモード」という独自ポータル戦略を捨て、gooへの囲い込みによるヘビーネット顧客の囲い込みができると尚面白くなるだろう。
ただ、検索のエンジンをgoogleに握られている現状では検索自体の精度で圧倒することはできない為、前処理と後処理というユーザインタフェース面での改良(だけ、というのは言いすぎだが)ではない機能拡充があるともっとよい。少なくとも、googleはgoogle baseやgoogle analyticsなどによって提供価値を急速に広げつつあるのだから。
追伸
インターネットが日常生活に密着した存在となったうえ、ブログなどの登場で個人が情報発信する余地が増えた。これにより、消費者の行動は「AIDMA (Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(購買))」から「AISCEAS (Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Comparison(比較)、Examination(検討)、 Action(購買)、Share(情報共有)」へと変化している。個人がよりアクティブになり、自分の欲求に対しても明確に行動するようになっているのだ。なるほどと感心。「検索して、機能や価格を比べる。コミュニティに質問もできる。購入後は「口コミ」という形でフィードバックする」。kakaku.comは、まさにこの路線でしょうね。
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