「シャドーワーク」とは、公式の組織で規定された権限や役割などにない、自主的な意思で行う活動である。予定調和で進まない現在において、イノベーションの源泉となる活動だろう。
本書は、日産、リコー、シマノなど複数企業でのシャドーワークの実例をあげて、企画型事業を生み出す場合にシャドーワークの有用性を説いている。
また、シャドーワークを実行するに当たっての「6つのカベ」を列挙し、その対策を記載しているのも面白い。ちなみに6つのカベとは
- 上司のカベ
- 組織のカベ
- 文化のカベ
- バカのカベ
- 技術のカベ
- 人事のカベ
常に成長したいのは企業または個人の普遍の願いであり、そのためには過去の経験に基づくルーチンワークだけでなく、不確実が伴うことを手掛けることが大切だと思う。
なお、ITmediaにシャドーワークの特集がある。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/special/0708/shadow/
一部重複する部分もあるので、本書の購入の前に読んでおけば、シャドーワークの概要がわかるだろう。
以下は、既に本書を読まれた方の感想です。ご両人とも「腑に落ちている」のは、そもそも本書を読むこと自体が「シャドーワーク」へのコミットメントが高いためでしょうね。
- 犬小屋日記さん。NTTデータの社内SNS導入と関連付けて記されています。「うちの会社ってどうなんだろう。」というくだりがありますが、まさに私もそれを考えてしまいました。
- しし丸先生の教えさん。上司のカベが一番手ごわそう、とのこと。なるほど、ね。
- 浜辺のねじまき鳥さん。既にシャドーワークの効果を体験されているようです。素晴らしい!
- ワルオさん。やはり、シャドーワークの実践家のようです。
- ごきげんようチャンネルさん。本書にある日産マーチの例を詳しく述べておられます。
最後に、本書自体が「シャドーワーク」として完成したのも興味深い。東京21世紀クラブの中の、DMM(ダイナミックマネジメントミックス)研究所という仮想的研究所の中で生まれたそうだ。
シャドーワーク―知識創造を促す組織戦略 | |
一條 和生 徳岡 晃一郎 おすすめ平均 ボトムアップな世の中になりつつあります。 目に見えない世界 中高年よ、読め! アイデアの具体例が参考になりそう Amazonで詳しく見るby G-Tools |
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