日本のブルーオーシャン戦略 その2

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前のエントリに引き続き、ブルーオーシャン戦略の概要を俯瞰する。主に日本のブルーオーシャン戦略の図表を引用している。

  1. レッドオーシャンでの戦いに必須となるポーターやコトラーの競争戦略、差別化戦略と対比すると、ブルーオーシャン戦略とは以下の様なものである。
    レッドオーシャン戦略ブルーオーシャン戦略
    業界の見方業界の条件は所与(given)競争の無い市場を主体的に創造
    競争の見方競合他社を打ち負かす競争を無関係なものにする
    戦略のフォーカス競争優位性の構築で、既存の需要を引き寄せる買い手のバリューを創造し、新しい需要を創出
    戦略の前提価値とコストがトレードオフのため、差別化戦略かコストリーダーシップ戦略を採用するバリューとコストのトレードオフを打ち壊す。差別化と低コストを共に進める
  2. ブルーオーシャン戦略では、新市場の創出の6つのプロセスとその際のリスク、およびリスク提言の考え方は以下のとおり。
    A.戦略策定時B.戦略実行時
    戦略策定プロセスそのプロセスでのリスクリスク低減ツール
    マーケットの境界線を再構築するサーチリスク:既存の枠組みにとらわれて、競争を避けられるビジネスチャンスを見逃すリスクバリューイノベーション
    細かい数字ではなく、ビッグピクチャーに焦点を当てるプランニングリスク:戦略策定時に枝葉や細かい数字にとらわれ、市場・ビジネスの全体像をきっちり把握できないリスクバリューイノベーション
    既存の「需要」を超えるスケールリスク:セグメンテーションなどにこだわりすぎて、ターゲットとなる市場が狭まっていくリスクバリューイノベーション
    正しい順序で戦略を策定するビジネスモデルリスク:チャンスのある市場を発見しても、それを利益の上げられるビジネスモデルに組み立てられないリスクバリューイノベーション
    キーとなる組織のハードルに打ち勝つ組織リスク:大きな変革が必要なるので、組織的な無関心や抵抗にあうリスクティッピングポイントリーダーシップ
    「戦略」に「実行」を組み込むマネジメントリスク:従業員やまねっジャーの士気が上がらず、自主的な協力が引き出せないリスクフェア・プロセス
  3. ブルーオーシャン戦略の全体像は以下のとおり。これを見ると、主要な3つのコンセプト(★印)の階層がそれぞれ違うことがわかる。
    ツールバリューイノベーション開始前バリューイノベーション策定プロセス(★)実行持続と刷新
    1 覚醒2 現地探索3 戦略の見本市3.5 正しい順序で考える(価値、価格、コスト、導入)4 コミュニケーション
    現状確認サーチリスクとスケールリスクへの対応戦略オプション作成と評価利益の取れるビジネスモデル構築あるべき戦略キャンパスを全社に浸透
    戦略キャンパス
    6つのパス
    バリュー・ユーティリティマップ
    プライス・コリドー・オブ・ザ・マス
    ティッピングポイントリーダーシップ(★)
    フェアプロセス(★)(○)(○)


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日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く安部 義彦


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このページは、thikが2009年5月19日 22:30に書いたブログ記事です。

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