著者は、東京大学で機械工学を専門として研究をしていた中で、失敗(試行錯誤)のノウハウを集積して「失敗学」として体系化した。本書は「失敗学」を学問として捉えた本ではなく、「失敗学」の考え方を踏まえてどうすべきか、というtipsを集めた本。
本書のメインテーマではないが、要求機能→機能→機能要素→機構要素→構造→全体構造という連関から成る「思考展開図」が掲載されている。表現は違うが、内容は「問題解決手法」と通じるところがある。
「要求機能」で問題(イシュー)を特定し、機能及び機能要素で、問題箇所の特定(Where)と発生原因(Why)に分解する。機構要素で、Whyの解決策を導き(How)、それを組み合わせることにより(構造→全体構造)、当初のイシューへの解決策を提供する。
問題解決手法と若干異なる点は、問題解決手法が重要な点に絞り込んで打ち手を述べるのに対し、思考展開図では、最終的に対策を全て組み上げている。これは、完成品を作る必要がある、という工学的な発想から来ているのだろう。
失敗を生かす仕事術 畑村 洋太郎
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