土井 哲、高橋 俊介両氏の共著。高橋氏、両氏共にマッキンゼーの出身。現在、高橋氏は慶応大学の教授であり、大前研一氏の教育企業「ビジネスブレークスルー」の講師も務めている。土井氏は、INVENIO社の社長。
本書はプレゼンテーションの内容(論理及びスライド)の構築方法と、プレゼンテーションの実施の2章から成る。前半(といっても80%を占める)を土井氏が、後半を高橋氏が執筆している。
後半の高橋氏の「プレゼンテーションのデリバリー(実施)」は、一読すればよい内容なので省略(但し、「わかる」と「できる」には雲泥の差があることに留意)。本エントリでは、土井氏の部分から気づいた点を以下に記す。
- プレゼンのメッセージには4種類ある。
- 事実メッセージ
- 単なる事実を述べる。演繹法や帰納法で事実を支えればよく、単純である。
- 評価メッセージ
- ある事柄に対する自分の評価を述べる。事柄の列挙だけではなく、評価基準の明示及び基準が相手にとって納得性(自分にとっての説得性)があることが鍵である。
- 政策メッセージ
- 提言・アドバイスを行う。相手にとっての提言を受け入れる「必然性」、それを実施した時の「効用」、そして提言の「実施可能性」の3点がそろって初めて納得してもらえる政策メッセージになる。
- 希望メッセージ
- 依頼や希望を述べる。ロジックを組みにくい。
- ロジックを組む上では、以下の2つが重要である。
- メッセージに「あなた」を含める
- セールスを行う場合、自社の宣伝(「私」の押し売り)ではなく、顧客の効用(「あなた」のメリット)を説くべきである。
- コンプリートメッセージにする
- What(何をすべきか)、Why(なぜそうすべきか)、How(どうしたらできるか)、の3点で論理を組む。
- ダミーチャートを作る。「このようなデータがあれば仮説を証明できる」という具体的なチャートを書く。
- 仮説を捨てる潔さを持つ
「仮説」や「MECE」など、私が既知な点は除いてある。演習もいくつかあり、ぱらぱらと読めるが、もう少しコンパクトにしても良いと思う。図も沢山あってわかりやすいが、「1シート1メッセージ」のコンセプトを適用して、「見開きで1つの図と、1つのメッセージ」という形式にすればもっと読みやすくなるのではないか。
プロフェッショナル・プレゼンテーション | |
土井 哲 高橋 俊介 おすすめ平均 共著のこわさ 欠点もあるが、得るところが大きかった 書籍としてはいかがなものでしょうか プレゼンのフレームワークとして最適の本 読みやすく役にたつ Amazonで詳しく見るby G-Tools |
コメントする