Vodafoneが、世界でGPS情報を取得できる携帯端末を発表した。auやDocomoに大きく離されたVodafoneだが、「世界的ネットワーク」というのは他社には無い大変な差別化資産である。今回は、GPS機能を全世界で提供して、引き離そうという戦略だ。
だが、顧客は緯度と経度が知りたいのではなく、「目的地までの行き方」などだろう。そのため、GPSは地図との組み合わせが必須になる。
今回、ゼンリンなどと提携して、日本だけではなく英国、オランダ、スペイン、ドイツ、香港の5カ国で利用できるようにした。VodafoneのAPIでGPSデータを取り込み、地図上に表示するのだろう。クローズドな環境のため、「垂直統合」とも言える。
一方、Google Maps APIのように、単一機能を広く提供する人も現れてきた。膨大なコンテンツを作りこむ必要がある垂直統合型よりも、自社が強い機能を網羅的に抑え、他機能を分担してソリューションに仕立てる水平型になっていくのではないか、と思う。例えば、携帯地図の例であれば、ネットワークとGPSはVodafone,地図情報はGoogle,上位APはソリューションごとに作成(ぴあぐるめなど)、というのがみんながハッピーになるのでは、と思う。垂直統合の高利益率モデルは、今後衰退していくように思われる。
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