ブルー・オーシャン戦略について、「著者の主張は、同書の巻末資料B バリュー・イノベーション:戦略の再構築に凝縮されている」との指摘があった。
この部分の著者の主張(と、thikの注)をマインドマップでまとめた。(クリックで拡大します)
著者は、「外部要因でしかルールが変化しない」という前提での事業戦略を「構造主義」と呼び、競争相手が必ず存在するゼロサムゲームという。巻末資料Bには明示されていないが、レッド・オーシャンを指すのだろう。
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一方、「再構築主義」は、「内部の要因で構造の変化を起こすことができる」という考え方である。この考えはシュンペーターを源流して新成長理論に受け継がれた。シュンペーターが構造の変化(=イノベーション)の起因を人に求めたのに対し、新成長理論は組織に求めた。しかし、いずれもイノベーションを実現する手法と特長を明確にしていない。これに対して、著者は、「戦略キャンバス」等のツールを用いることで、容易にイノベーションを起こすことができる、と言う。これが、「再構築主義」だ。そして、「再構築主義」で実現する市場が、ブルー・オーシャンである。
上のようにまとめてみて、
- 「ブルー・オーシャン」自体は著者のオリジナルではない
- 「再構築主義」、即ち、ブルーオーシャンを見つけ、その市場で事業を行う為のツール、及び押さえるべきポイントをtips的にまとめたのが本書の価値
「ブルー・オーシャン戦略」というタイトルからすると、「ブルー・オーシャン」自体に期待してしまうが、「ブルー・オーシャン『を目指す戦略(という大げさなものではなく、ちょっとしたコツ)』」がかかれている本である、と思って読み始めると、得るものはあると思う。
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する | |
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マインドマップは論点を整理するのにいいですね。
新成長理論は、再構築主義に含まれないとする解釈に同感です。また構造主義のツリーにある「結合・再結合」は、シュンペーターの説明だと受け取っていました。いかがでしょうか?