ファシリテーター型リーダーの時代

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「ファシリテーションとは、リーダーシップの一形態である。メンバを鼓舞し、誘導し、参加を促して、創造性や当事者意識、生産性を引き出す。」(本書より)

「ファシリテーション」という面白そうな言葉に引かれて、借りてきました。「オレはファシリテーター型のリーダーだ」とか言うと格好よさそうだし。
ハードカバーのビジネス書なのですが、体裁に似合わず、how to本ですね。平たく言えば、「会議の生産性を上げる方法」かな。使用するツールや準備、すすめ方などが判りやすく、かつ実践的に記載してあります。

数年の会社勤めをした人ならば暗黙的に身についている(はずの)内容を述べています(実践できているかどうか、は別にして)。私(会社員15年目)にとって半ば常識となっているスキルを、改めて体系的に認識するのには良い本でした。初めて会議を主催する人にとっても、会議の進め方のスキルを迅速に身に付けるのには良いでしょう。

できれば、「どうすれば、ファシリテーターを実践できるか?」に触れてもらえると、即座に行動に移せて、かつ継続ができて、とても嬉しいのですが。「場数を踏むことだよ」という答えは、無しでお願いします。



とても共感したことは、フリップチャートを使う点。

ホワイトボードではなく、フリップチャート(模造紙を束にして、イーゼルに立てかけたもの)を推薦しているのは、長年ホワイトボードを使ってきた身からすると、とても賛同できる。やはり、ホワイトボードは、その場で「消して」しまうことにより、記憶からも「消えて」しまうのだ。
最近はコピー機能付きのホワイトボードや、普通のホワイトボードをリアルタイムにPCに取り込めるもの(こんなのとかこんなの)があるけど、白板一杯に議論した内容をA4サイズに留め切れる者ではないし、それを参加者に配布してしまうと情報共有ができない。
「後日の保管・検索の容易性」と言う意味では若干難点があるが、「議論の生々しいの記録」は、大きな紙に勝るものは無いと思う。 「ブレストにはホワイトボードは向かない」派の私としては、とても納得ができた本でした(本の主題ではないところに賛同しているかも)。



ファシリテーター型リーダーの時代
フラン・リース著・黒田由貴子訳・P.Y.インターナショナル訳

出版社 プレジデント社
発売日 2002.12
価格  ¥ 1,680(¥ 1,600)
ISBN  4833417413
いま注目を浴びる「ファシリテーター」について解説する。新しいリーダーシップ・スタイルを身につけようとする人々のスキルアップと、多様な人材を活かそうとする企業が成果をあげるための、リーダーシップ実践マニュアル。 [bk1の内容紹介]

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このページは、thikが2004年10月23日 23:56に書いたブログ記事です。

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