イノベーションへの解 8章

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イノベーションへの解 8章。「戦略策定プロセスのマネジメント」。7章は、こちら

戦略には2つある。


  • 意図的戦略:持続的戦略にありがち。大部分が演繹的に導ける。企画チーム中心、トップダウン
  • 創発的戦略:顧客要望や差し迫った理由で採る。現場から、ボトムアップ

破壊的事業は創発的戦略から生まれるが、破壊的戦略がGOとなるのには、中間管理職のプロセス・価値基準に依存する。
新市場型の破壊事業は、最初は創発的戦略を用いて手探り状態で進むが、うまくいくとわかれば意図的戦略をガツンと進める。
過去の新事業の90%で、意図的に追求した戦略によって成功したものではない。創発的戦略によって成功した。

創発的戦略を有効に働かせるには、以下のステップで進む発見志向計画法(Discovery-driven planning)がよい。


  1. まずは、財務予測(目標数値の設定-所詮「破壊的事業」に求められる数値オーダがあるのなら、そこからスタート)
  2. そのために必要な仮定は何か?(どのような仮定が成立すれば目標が達成されるか?) その目標達成に必要な戦略は何か?
  3. その仮定を検証する。Yesならば、戦略を遂行する。

仮定が見つからないと、目標が大きすぎたり、具体策が見つからなくて実行できないのも同然(実行できないと、いくら良い市場があっても事業とはならない)。そんなときは、仮定を探し続けるか、目標を小さく分割するか、が必要。


* * *

現在の私が参考になるのは、「発見志向計画法」と、「90%は当初戦略を変えざるを得ない」という辺りか(後者は参考と言うよりも、戦略修正時のの拠り所かも)

本文のP.278で、「図8?2」が引用されているが、「表8?1」の間違いだろう。しっかりしてね>訳者。

この本、今更ながら、あちこちで話題。
エディテック[EdiTech]では、「適応型ソフトウエア開発」と比較して議論している。(最近のハードウェア(特にLSI)も、ほぼモジュール的に開発しているんですけど、ね)
また、株式会社ユート・ブレーンのブックレビューでも紹介している。
MOT Lab.レビューでは、原著に基づいて要旨をまとめ、考察を記している。すばらしい。

また、発見志向計画法をビジネスにしている人もいるんですね(こちら)。

改めて、クリステンセンの人気の高さを知りました(最後のは違うけど)。

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このページは、thikが2004年10月 4日 09:07に書いたブログ記事です。

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