- 顧客ニーズを汲み取っていること。
- 電子辞書を一番使うのは、学生、特に高校生?予備校生、大学生だろう。彼らの生活パターンを観察すると、通学途上でワンセグを見る場面があったのではないか。また、「TVスタイル」という形状は、例えば下宿している学生が、家に帰って勉強しながらTVを見る、あるいは授業中にTVを見るような使い方が望まれていたことを発見したのではないか。
これらのニーズがつかめたのは、「イノベーションの達人!」で触れている、「人類学者」の優れた目利きがあったのだと思う。入念なマーケティングの勝利だろう。
(「イノベーションの達人!」は、画期的なモノを生み出すことで有名な、IDEOの活動を詳細に記した本です。この本については、色々書きたいことがあるので、また触れます。) - 自社の方向性と合致し、自社の得意技で他社との違いを出している。
- シャープはワンセグ携帯や、画面のきれいなAQUOS携帯などの技術を自前で培っている。また、現在の状況を見てみると、シャープは、「どこでも、何でも、液晶を乗せる」ことを推進しているように見える。一方、電子辞書は各社とも同じような内容であり、値段のたたきあいになっているのではないか。ニーズの無いところに自社の液晶を乗せても仕方が無いが、ニーズがあれば積極的に液晶を搭載し、電子辞書の差別化と、液晶自体のブランド向上の一石二鳥を狙っていると思われる。
(追伸)
ここまで書いて判ったのだが、ASCII24の記事では、同社の製品発表会にて、
一方ユーザーのニーズとしては、美しい画面で情報を見たい、リアルタイムにニュースなどの情報を知りたい、簡単に使いたいなどがあるとし、(略)今回発表するワンセグ対応電子辞書の市場投入により、40代の年齢層を中心に製品を展開し、年末商戦の市場を活性化すると同社の事業部長が発言している記事があった。
なんと、対象は40代!顧客を定めることの難しさを痛感した。
でも、いつ辞書を使うのだろう??
コメントする