セブンイレブンのオープン戦略:どこでも使えるセブンイレブンのプリペイドカード

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セブンイレブンで、独自方式のプリペイドカードを導入する。07年春からサービスを行い、初年度1000万枚の発行を目指すらしい。

セブンイレブンといえば、コンビニ各社が銀行と提携しながらATMを導入したのを横目で見つつ、最後に自社で銀行を作り、参入した。その際は、「相互接続性」に徹底的に拘った。多数の他社カードでの支払いを可能にしたのだ。一種のオープンフラットフォームと呼んで良いだろう。「セブンイレブンに行けば、どんなカードでも、いつでもお金を引き出せる」ということを実現している。
オープン戦略を取ることにより、後発で、かつ最大のリスクを抱えたにもかかわらず、セブン銀行は勝利した。

今回アナウンスがあったセブンイレブンのプリペイドカードは、まずはセブンイレブン、イトーヨーカドーから展開を始めるようだが、やはり基本は「オープンプラットフォーム」のようだ。 cnetの記事によると、

(店舗の買い物で貯めたポイントについて)さらに、グループ外の企業とも同様のポイント連携を推進し、ユーザーと提携企業ともにメリットが得られるアライアンスを目指す。(中略)今後は、JCBの「QUICPay」を始めとするポストペイ方式の小額決済サービスや、他社の電子マネーなど、さまざまな決済手段が利用できるシステムについても視野に入れる。

など、「つなげる」政策が明確だ。

先行しているSuicaとEdyは、自社のカードが使える店舗を囲い込もうとしている。いわば、決まった大きさのパイをどのように奪うかというゼロサムゲームをしている。それに対し、「多様なサービスが相互に使えますよ」という、消費者が嬉しくなるような価値をつけて、他社の市場までも自社市場にしてしまうというセブンイレブンのオープン戦略は面白い。

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このページは、thikが2005年12月 2日 01:11に書いたブログ記事です。

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