ブルーオーシャン戦略とは

| コメント(0) | トラックバック(2)

ブルー・オーシャン戦略 その1

各所で話題の「ブルー・オーシャン戦略」。まだ半分程度しか読んでいないが、簡単にまとめる。尚、筆者のバイアスがかかっているため、一般的な要約ではない点に留意いただきたい。

【本書が言いたいこと(4章まで)】

  1. ブルー・オーシャン戦略の醍醐味とは、「よいセグメンテーション(分類)の軸を見つければ一人勝ちできる」ということ。 従来の軸での製品を分類したり顧客の要望を分類すると、他社との競争とならざるを得ない。「誰も発見していない」かつ「顧客の潜在的*1)欲求」に合致する軸で顧客及び製品を分類して、分類結果に空白の土地があれば、それが「ブルー・オーシャン」である。 旧来の顧客セグメンテーションや製品ポジショニングマップは2軸でプロットするのが多かったが、多軸でプロットしたのが「戦略キャンバス」とも言える。 *1)顕在欲求であれば、既に価値提供者がいるはず。

  • 分類の軸の見つけ方は、第3章に記載がある6種類である。すなわち、
    1. 代替産業に学ぶ
    2. 業界内のほかの戦略グループから学ぶ
    3. 買い手グループに目を向ける
    4. 補完財や補完サービスを見渡す
    5. 機能志向と感性志向を切り替える
    6. 将来を見通す

  • 軸を見つける手掛かり、及び軸を見つけたことを他人に説得する為に、従来のフレームワークではなく、新たなフレームワークを使用すべき。それは
    1. 戦略キャンバス:多次元でのセグメンテーション、ポジショニングマップ。
    2. アクションマトリクス :(従来に比べて)減らす、取り除く、増やす、付け加える4つのアクションを列挙した表。

    【感想】

    1. 「競争を避けるというのは、最上の戦略である」という主張は、特に著者オリジナルではない。但し、そのためのツールを具体的に提示し、実行に際してのtipsまで示したところに本書の新鮮さがあると思う。

    2. 各ツールの詳細を見ると、すべてが完全に著者のオリジナルではないものの、一箇所に集めた点では評価できる。戦略キャンバスは、縦と横と軸が反対だが、マッキンゼー流の多軸のポジショニングマップと良く似ている。また、アクションマトリクスは、オズボーンのリストから派生しているようにも思える。
      (参考)オズボーンのリストが引用された文献として、コトラーのマーケティング思考法に触れたが、再度同書を読み返してみようと思う。
    3. 本書の実例に出てくる当事者が、そのときどのような発想をしたのかが、知りたい。著者は、実例を戦略キャンバスなどのツールに当てはめて説明していますが、実際の当事者がどのようにしてその軸を見つけたのか、それが知りたい(多分、最終顧客の声なき声を聞きながら、「閃いた」のかもしれない)。

  • トラックバック(2)

    トラックバックURL: http://thik.jp/MT-5.2.8/mt-tb.cgi/551

    今日、僕が学んだこと。〜一歩ずつ愚直に前進、プチファイ・ライフ〜 - 批判的に読む「ブルー・オーシャン戦略」 (2005年10月21日 00:22)

    やっと読み終わりました。『ブルー・オーシャン戦略』(W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著)。 既存の市場(レッド・オーシャン)での競争を超えて未開拓の市場... 続きを読む

    戦略コンサルファームのベインアンドカンパニーの著者が、コア事業を再構築させるため... 続きを読む

    コメントする

    このブログ記事について

    このページは、thikが2005年7月 1日 17:38に書いたブログ記事です。

    ひとつ前のブログ記事は「番組とCMがもっと近づくためには?」です。

    次のブログ記事は「「事業システム戦略」と「ブルー・オーシャン戦略」」です。

    最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。