(余談)レッドオーシャンも悪くない

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(以下、極論です。レッドオーシャンもブルーオーシャンと同じように不確定要素が多々あります)

本書ではブルーオーシャンの素晴らしさを説いているが、レッドオーシャンにも良い点がある。それは、需要が明確に存在するため、解決すべき課題に仮説が入り込まないことである。そして、課題を解決する自助努力を行えば、確実に売れることである(実際には、「課題を解決する自助努力(開発、製造、販売、物流など)」は困難を極めるのだが。)。
これは、レッドオーシャンには確かな顕在需要があり、その需要に対応するために供給すべき製品の仕様が明確に決定できるからである。

例えば、自動車を考えてみよう。他の項目が同じであれば、燃費は良い方がよい。そして、どの程度の燃費を達成すれば収益が最大化するか、確度高く導くことができる。例えば、少ししか燃費を改善しない車を発売しても需要がさほど増えないが、技術開発投資も小額で済む。一方、燃費を画期的に改善する車を発売すれば大幅な需要増が見込まれるが、それに必要な投資も膨大となる。すると、収益を最大化する燃費改良度合いは一意に決まる。そして、それに向かって開発、製造、販売を効率よく行えば当初の収益が達成できる。すなわち、レッドオーシャンには仮説は不要である。事実に基づく目標を決め、自責で目標を達成すれば予定収益は必ず確保できる。


現実となっていないもの=仮説を基礎として、提供すべき製品・サービスを企画して開発及び販売する必要があるのが、ブルーオーシャンである。常に仮説を検証して修正していないと、「売り始めたが対象顧客がない」となる可能性がある。


言い換えると、レッドオーシャンは「何を」(what)解決すればよいかは明確であり、「如何に」(how)うまく解決するか、の競争となる。顧客要求仕様は明確であり、実現手段で競うことになる。相対的に開発・製造・販売系に重点が置かれる。
ブルー・オーシャンは、「何を」(what)解決すればよいか、の競争である。未だ見えない顧客要求仕様を、如何に適切に定義するか、が鍵である。相対的に、企画・アイデア創出系に重点が置かれる。


仕事でブルー・オーシャンに取り組んでいる筆者からみると、「隣の芝は青く」見える時があります。レッド・オーシャンはひたすら実行すればいいので、楽だなあ、と。でも、エンジニアをしていた頃、「言われたとおりの仕様を作るのに飽きた」と、自ら選んでブルー・オーシャンの開拓の道を選びました。しばらくは、ブルー・オーシャン開拓の道を、楽しみながら進んでいくことでしょう。

休日に、ちょっと息抜き(愚痴?)のエントリでした。来週も色々ありそうですが、がんばろう!

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このページは、thikが2005年7月 9日 20:24に書いたブログ記事です。

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