IBMは、キーボードという入力手段ではなく、理想の入力手段を提供しようとしている(cnetの記事参照)。でも、それはベンダー側が「これはよいものだから使いなさい」と誘導するものである。「キー入力が大変」という顕在ニーズに対して、新市場を切り開いていくイノベーションである。まっとうな攻め方だが、体力が必要でもある。
一方、日本では既に多数の人が使っている携帯電話。これをPCの入力手段にしようとするのが「Lipii」だそうだ(ITmediaに記事がある)。PCのキーボードを携帯の入力手段に使うものは従来もあった(「携帯万能」等の携帯ユーティリティソフトに付属している)。しかし、携帯での文字入力のほうが手軽な人にとっては、それをPCでも使いたいと思うのは当然の流れ。今回の製品は、携帯での入力がPCでもできる点が優れていると思う。既存のニッチな顧客の要望を叶えることができ、導入の障壁も少ない。個々では新しさがないが、斬新な組み合わせでの新しさを狙っている。
「携帯は使い勝手で劣っており、PCの方が優っている」という発想では出てこなかった製品。逆転の発想で面白い。
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