浜松企業強さの秘密

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ご当地本として、京都に続いて浜松の本を取り上げる。
著者(達;本書は共著である)は、浜松の特長は以下だと述べている。

  • 勤勉の風土。江戸時代から教育に熱心であり、寺子屋と報徳思想の普及に力を入れていた。
  • よそ者を受け入れる風土。浜松藩主は頻繁に国替えになっていたため、よそ者を受け入れる風土ができていた。
  • 独立独歩の心。権力者の庇護を受けた歴史が無いために、自主独立の気運が強い。
  • 企業を起こす土壌。軽工場の集積が発展の好循環を生んでいる。
  • 有機体としての地域。種種の工場が補完しあって、仮想的な大きな企業を形成している。
  • 激しいライバル競争。各種企業が狭い地域にて操業するため、切磋琢磨していた。
具体企業の分析もあり、地域の考察は良く理解できるのだが、「では、浜松の成功を踏まえて自分たちの地域を繁栄させるにはどうすればよいか」と考えた時の参考になるか、というとやや難しいかもしれない。浜松の強さの秘密を、過去の歴史や風土に帰着させてしまうと、他地域を今すぐに強くする秘訣が思いつかない。せっかくここまで分析したのだから、もう少し一般的な結論があれば読者に優しい本となる。
「浜松企業」強さの秘密
4492554459竹内 宏

東洋経済新報社 2002-07
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このページは、thikが2005年6月20日 01:41に書いたブログ記事です。

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