ドコモがお財布ケータイで実用性重視、auが音楽ダウンロード。これに対し、ボーダフォンはメールで特徴を出すという。月額840円でメール送受信が使い放題になるプランだそうだ。
機能で差別化するのは提供者の論理である。「顧客は誰か?」という、マーケティングでいの一番に考える項目に照らすと、ボーダフォンの戦略が理解できない。
「メールし放題」であれば、ボーダフォンが狙う顧客は10代女性だろう。比較的安価な定額に抑えていることからも、若年層をターゲットにしたことが読み取れる。では、「着うた」で若者を押さえたauと真っ向勝負する気か? 3番手のボーダフォンが、2番手と市場を取り合ってどうする?喧嘩をするなら1番手とすべきだし、喧嘩せずに棲み分ける方法を見つけるべきだと思う。
例えば、ボーダフォンが不得意である法人分野では、ドコモやauは地道な営業努力で支えられている面が多々ある。逆に言えば、法人分野の要望を十二分に叶えるメニューは無いと思う。ここに目をつけられないか。例えば、企業が営業マンに携帯を持たせる場合、仕事では十二分に使いこなして欲しいが私用には使わせない。そのため、営業マンが持つ各携帯のメモリーを一括ダウンロード・アップロードし、自社の顧客データベースとリンクさせたり、簡易名刺データベースとシンクロさせたりすることが必要なのではないか。携帯紛失の際の情報漏洩防止にも役立つはずだ。
企画部門は七転八倒しているのだろうが、現在のプランでは、どのようにして差別化するのか、が見えない。斬新なサービスであった写メールを生んだJ-phoneの血筋を引き継ぎ、面白いサービスを数多く出して欲しい、と思う。同じ、新サービスを生む苦しみを味わっている(でも、その先には爆発的な快感も待っているはず)者として、「同志がんばれ」と、言いたい。
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