エージェントと倫理観

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Yahoo! が、Y! Mindsetをβリリースしたと、ITmediaが報じた。検索した結果を、「購入」と「調査」の1次元の軸に対して検索者が自ら重み付けすることにより、検索の背景を踏まえて最適な表示を行うものである。

以前に、ブラウザがエージェントになる日というエントリで、「種々の情報から、検索者の意図を汲み取って、その時点で最適な検索結果を出力する『便利』な技術が登場するのでは」と、書いた。今回のY!mindsetは、非常に原始的なものであるが、一部実現できた、といえるのではないか。
cnetの別の記事では、IPアドレスなどからサイト訪問者の居場所を特定する技術を、Googleが保有している(技術の帰属は係争中だが)、とある。

これらの技術を組み合わせれば、自動的に、検索行為のバックグラウンドを確度高く推定して、その結果を検索者が望むように表示することは可能となった。大変便利、かつ安価なエージェントが実現する。そうして、便利を追求し、利便性を提供することが、プライバシー保護よりも優先する時代が来るかもしれない。その時に、GoogleやYahooが、特定の株主の利益だけを反映させた事業を行っているのだろうか(資本主義なので、当然なのだが)。

バイオや医療の世界では、「倫理観」等が議論されている。ITの世界でもプライバシーへのコンセンサス形成が全世界的に必要になるだろう。

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このページは、thikが2005年5月31日 00:38に書いたブログ記事です。

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