イノベーションへの解 6章

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イノベーションへの解の6章は、「コモディティ化をいかにして回避するか」。(5章は、こちら。)

5章以前で、顧客の要求を満足するまでは統合型、それ以降はモジュール型のアーキテクチャを取るべき、と筆者は説いた。モジュール化により、利益の源泉が「サブシステム(部品)を、早く、安く提供する」事に移動する。そのため、統合型企業で「コアコンピタンス」として利益の源泉だと考えられていた物(実際には、「統合していること」自体が利益の源泉なのだろう)が、利益を生まなくなる。
コアコンピタンスにこだわる余り、モジュール化の流れとその後の利益の源泉を見誤ってはならない。著者は、これをコンピュータメーカの例で示す。
「コアコンピタンス」は顧客視点の利益源泉ではない。ここに留意し、コモディティ化が始まった際には、利益がどのモジュールに移動するかを見極めて、利益を生む場所で事業をする必要がある。

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「コモディティ化」。陳腐化とか普及化とか標準化と言った方がわかりやすいかも(この本、内容はいいけど、訳は今一歩こなれていない)。

バリューチェーンと業務フローは別物である、と最近ある人に指摘をされた。確かに、今までは業務フローでいろいろ説明してきたなあ、と反省。でも、業務フローと違い、バリューチェーンを書くのはかなり難しい。そのプロセス毎に、価値がどこから来るかを理解しないと書けないからだ。でも、それが書ければ、コモディティへの対応の鍵がわかるのではないか。まあ、バリューチェーンも、統合型の場合と、時間が経過した後にモジュール化になった場合とで、全然違う場合が多い。事業をしながら、常にバリューチェーンを描きなさい、ということか。
でも、利益の源泉(と考えている)コアを捨てる、というのはなかなかできる物ではない。だから、それができて新しい利益が出るバリューチェーン位置に移動できる企業が次の成功をつかむのだろう。

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このページは、thikが2004年9月29日 09:15に書いたブログ記事です。

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